「ひとりごと」2012年

ひとりごと141号

 

 ガンバの取材を通して、これまで様々な競技団体の方々と接して来たが、その方々が、ジュニアスポーツに関して一様に口を揃えるのが「この競技を好きになってもらう」という一言。すべて同じ答えだ。どの競技でもジュニアは底辺拡大の最大要素である。そのためには最低限「好きになって」もらわなければならない。しかし、ジュニアの指導現場の現状は、その思惑とは、随分とかけ離れているようにも感じられる。その競技への「入口」で日常的に行われているのは、叱ると怒るの区別もつかない指導者が子供を罵倒する怒鳴り声。選手起用や練習方法、試合中の策にも口を出す保護者など枚挙に暇がないほどだ。こういう大人たちが主役のチームでは、何を指導しているのか強く疑問を感じる。これでは「嫌い」にはなっても到底「好き」になどなってはもらえないだろう。スポーツとは、楽しくなければならない。ここが出発点である。子供たちは、楽しければ、自ら進んで努力をし、やがてそのスポーツを「楽しむ」ようになる。まずは、楽しさに気づいてもらう事だ。特に小学校低学年には、遊びの要素を取り入れた指導方法が有効である。「遊び」から「楽しさ」を伝えるのが目的だ。少子化が進む中で、スポーツをしない子供たちが増え続けている。原因は様々だが、そろそろ前時代的な指導方法は、改めなければならないだろう。

ひとりごと140号

 

 朝夕には一段と寒さを感じる季節となった。学童野球大会の運営で起床する朝5時、外はまだ暗い。平日より早い土日の起床時間、気がつけば、もう17年もこんな生活をしている。「なぜ?」と自問自答するが明確な答えは見つからない。これも運命と諦めている。長男が小学2年生の時、地元の学童野球チームに入った。保護者がお揃いのトレーナーを着て、監督やコーチにコーヒーを出している光景を見て、少し戸惑った。というのも、私が子供の頃入っていた地元(東京)の少年野球チームは、近所の魚屋のオヤジが監督、その息子がコーチという貧相なチームだったからだ。野球道具などはすべてこの魚屋のオヤジが買ってくれたものだ。ユニフォームもあったが、公式戦の時にしか着られない。練習は学校の体育着、綿のトレパンだ。練習場所は上野の山噴水広場公園。朝早くみんなでバックネットとベースを持って場所取りに行った。後から監督とコーチが自転車でやってくる。練習は日曜日、午前中で終わり。後片付けも自分たちでやった。練習も試合も親が来ることはなかった。でも、いま思えば、最高に楽しかった日々でもあった。現在は、少子化の影響もあるのだろうが、あまりにも大人が関与しすぎるように感じている。これは野球に限らない。もっと子供の自立を促すような環境の改善が必要なのではと思う今日この頃である。

ひとりごと139号

 

 日中はまだ夏のような気候だが、朝夕はすっかり秋の気配が感じられるようになった。仕事柄、色々な競技団体の方々と話しをする機会も多い。先日も、ジュニアの育成環境についての話しになった。ジュニアスポーツの育成は、どの団体にとっても一番大切な部分であるが、それを地域の指導者に委ねているという現実もある。しかし、そこには様々な問題も見え隠れする。ジュニアスポーツの指導者は、ボランティアで指導を行っている。私も経験があるが、これが実に大変な仕事なのだ。精神的な負担が大きいため長く指導者を続けるのは、並大抵の努力ではない。ただ、この地域依存型の育成システムは、その指導者の資質や人間性によって大きく左右され、スキルやモチベーションなどに偏りが見られる。最近では、1年交替で指導者が替わってしまうチームも多い。この持ち回り制度での指導には限界がある。逆に長ければ良いという問題でもない。希にだが「昔取った杵柄」を拠り所に、苦虫を噛み潰したような顔で子供たちを怒鳴り飛ばすだけの指導者もいる。スポーツ基本法が施行され、スポーツをする権利は法律によって護られている。出来るだけ早く、旧態依然としたジュニアの育成環境を見直す必要がある。各団体の関係者は勿論、地域の指導者にもスポーツ医科学等を根拠にした最新の指導方法を学んでほしいと切に願う。

ひとりごと138号

 

 取材先で、あるジュニアスポーツの指導者と久しぶりに話しをする機会を得た。いつもと少し様子が違うので訪ねると「今年で辞めようと思う」と答えた。詳しく聞けば、最近の社会風潮や保護者のモラルに疑問を感じることが多くなったのが要因らしい。確かに同じようなことを複数のジュニア指導者からも聞いている。レギュラーの選考や選手起用などは序の口、試合に負けた責任をとれと詰め寄る保護者もいるそうだ。まさしく指導者受難の時代だ。これではジニアスポーツの指導者など誰もやりたがらない。ボランティアで指導をしているのに、感謝もされず、逆に非難されるとは、一体どういう事なのか?「自分さえ良ければ」という事なのか? これでは子供にスポーツをさせる意味が無い。スポーツは、社会で生きるための訓練でもある。故に、指導者も保護者も一体となり子供たちをより逞しく育まなければならない。いつまでも子供の手を引いていては、子供は成長しない。子供は「背中を押して育てる」ものだ。あえて試練を与え、背中を押して乗り越えさせることで、子供は達成感や喜びを実感し、身も心も大きく成長する。スポーツを通して伝えるべき本来の目的を忘れてはならない。将来ある子供たちを、より逞しく育てるために「手を引く」のではなく、是非、何度でも「背中を押す」勇気を持ってほしいものだ。

ひとりごと137号

 

 いよいよ夏も本番。気象庁から高温注意報が発令される日も増えそうだ。高温注意報とは、高温による熱中症に備えるための注意報だ。しかし、熱中症は気温より湿度が大きく関係している。気温が30度以下でも湿度が70%を超えるような場合は危険だ。湿度が高いと汗が蒸発しにくくなり、体温調節が困難になるためだ。湿度が70%以上になると殆どの人が、蒸し暑さで不快感を感じ、じっとしていても汗が滲む状態になる。こんな場合は要注意だ。そこで、熱中症の応急措置をひとつ。用意するものは「霧吹き」「保冷剤」「うちわ」の3つ。熱中症対策三種の神器だ。熱中症が疑われたら、まず風通しの良い日影に寝かせてベルト、ソックスなど体を締めつけいるものを全て緩め、服も脱がせる。吐き気を訴えている場合は、必ず横向きに寝かせる。次ぎに、霧吹きで全身に水を吹きかけ、頭部、頸部、両脇、両足の付け根に保冷剤をあて、うちわで全身を仰ぎ、スポーツドリンク等を少しずつ飲ませる。初期段階なら、これで回復するが、回復しない場合は、危険な状態なので、すぐに救急車を呼ぶこと。「保冷剤」は、長辺10センチ位のものが使いやすい。スーパーなどで貰えるものでも十分。「霧吹き」や「うちわ」は100円ショップでも手に入る。ぜひ、あなたのチームにもこの「熱中症対策三種の神器」を常備しておいてください。

ひとりごと136号

 

うっとうしい空模様が続いているが、まもなく、あの暑い夏がやって来る。今回は、その夏に向けて子供の基礎体力その2「汗をかけない子供」。人間は汗をかくことで体温調整を行っている。汗は、体内の熱を放出し、気化することで体の熱を奪い体温を下げる役割を果たしている。そのため人間の身体には数百万という数の汗腺が形成される。ところが、現代の子供たちは、この汗腺の数が親世代の半分しかないというのだ。汗腺の数は、2〜3歳迄の生活環境で決まる。減少の要因はエアコンの普及。勿論、子供だけではなく大人も然り、夏に汗をかかなくなった。汗を嫌う日本特有の風潮もある。この汗腺数の減少と熱中症が、密接な関係にあると警告する小児科医もいる。汗腺数が減少、または衰退すると熱中症を発症しやすくなる。代謝機能や免疫力の低下、自律神経障害、低体温症などの要因とも言われる。運動しても汗をかかない子供がいたら要注意。対策として、運動中に霧吹きで顔や首などに水を吹きかけ、うちわで仰ぐ。これで、体温調整ができるようになるそうだ。親も指導者も「汗をかけない子供」がいることを自覚しなければならない。熱中症対策は大丈夫ですか? 水分補給だけではなく、子供たちの体温調節にも注意が必要です。

ひとりごと135号

 

 子供たちが、ダブダブのユニフォームでグラウンドやピッチを走り回る。公式戦出場を夢見て一生懸命練習に励む姿。そんな光景を眺めるのが大好きだ。純真な笑顔には夢と希望が満ち溢れている。どんな選手に成長するのか、どんな人生を経験するのだろうか? 見ている側にも楽しみや希望、そして元気までも与えてくれる。とにかく可愛い。子供は社会の宝だ。将来を担ってもらうためにも大切に育てなければならない。ただし、「大切」と「過保護」を取り違えないように。人は、試練を乗り越えてこそ成長する。古い話しで恐縮だが、私たちが子供の頃は、外遊びを通して心身を鍛え、社会のルールを学んできた。近所のガキ大将と一緒に遊ぶこと自体が試練そのものだった。幾度となく泣かされ、怪我など日常茶飯事だった。でも、その小さな社会の中で、楽しさや悲しみ、思いやり、物事の良し悪しなど、世の中の道理を学んだ。勿論、子供たちの小さな社会に親などは一切介在していない。ジュニアスポーツの現場でも然り。「大切」と「過保護」の境界線をつい踏み越してしまう事があるが、踏み越さない事も親の試練だ。スポーツとは、身体ではなく心を鍛えるもの。親も子も、そして指導者も一緒に成長しなければ、スポーツ本来の目的を見失う。

ひとりごと134号

 

 お陰様でガンバ創刊10周年を迎えることができました。本紙を支えてくれる読者やスポンサー、そして、読売新聞太田地区会の皆様には、本当に感謝を申し上げます。10年前の5月、立ち上げ前から3年半お世話になったFM・TAROを出て、ひょんなことでガンバを発行することに…。月日の流れるのは早いもので、気がつけば10年。創刊号からストックしてある紙面を時折見直してみる。10年前からのJrスポーツの変遷がよくわかる。ガンバはスポーツ新聞ではない。Jrスポーツのフリーペーパーなのだ。ニュースとは言えない少し前の情報やマイナーと言われる競技の事などが掲載されている。「なぜ?」と聞かれることがある。それに答えるなら「頑張った子供たちへのご褒美だから」である。取材先で「ガンバに載ることが目標」「先輩たちが載ったので自分たちも」など嬉しい声も聞けるようになった。そういう言葉を聞くたび、続けてきて良かったと思う。ガンバは、これからも子供たちに夢や希望を与える存在でありたい。君たちが一生懸命に頑張っている姿を見てガンバも成長してきたのだから。君たちが一番輝いている瞬間を紙面に留めておこう。ガンバが、成長してゆく君たちの想い出の中に、しっかりと刻まれるように…。


ひとりごと133号

 

 太田市の学童野球が開幕した。前日の小春日和とはうって変わる寒さ、そして雨。それでも子供たちは一生懸命のプレーを見せ、見守る保護者にも力が入る。そんな、いつもと変わらぬ光景を眺めながら「なぜ、こんな状況で子供たちに試合をさせなければならないのだろう?」と思った。10年以上も学童野球の運営に携わっている私が言うのも変だが、大会の数が多すぎるのだ。確かに大会というのは、日頃の練習成果を披露するハレの場だ。技術だけではなく心の成長をも自らが確認する場でもある。スポーツをする者にとってはなくてはならない大切な場だ。各競技団体には、普及促進、底辺拡大という共通の使命があるが、もう一つ「健全育成」という目的もある。どうも私には、ここが引っかかるのだ。現在、太田市の学童野球では、年間7大会が実施されている。もうこれ以上の大会実施は不可能だ。この過密な日程が、スポーツ本来の目的を見失わせているのではないだろうか? 大会での成績や結果ばかりが優先される風潮にある。スポーツは、楽しくなければ続かない。勝てば楽しさが倍増するのも事実。ただ、今が楽しければ良いと言うことではない。スポーツを大人達のレクリエーションにしてはならない。みんなで一緒に考えませんか?

 

ひとりごと132号

 

文部科学省は、戦前から続けてきた小中高校での健康診断の検査項目を見直すと発表した。これまでの身長や体重、座高、視力、結核、寄生虫卵の有無などの検査項目をスポーツによる障害を早期に発見するための項目に改め、時代の変化に対応するという。裏返して言えば、地域スポーツや部活動などで身体を酷使して関節や骨の異常を訴える子供が増えているということになる。スポーツは、子供の成長過程において人格形成や基礎体力向上の大きな要因となるが、反面、やりすぎると身体に機能障害を招く恐れもある。太田市野球連盟では、7年前から学童野球選手のメディカルチェックを定期的に行ってきた。毎年、何人かの肘関節障害が発見されるが、始めた頃に比べると障害発生率は低くなってきた。また、ここ数年は、重篤な障害も確認されていない。これは、指導者や保護者が肘関節障害についての関心や理解を深め、バッテリーを複数養成するなど予防への努力を続けてきた証でもある。大人が「楽しむ」ために「プロ選手になりたい」という子供の夢を壊してはならない。まだ、始まったばかりの夢への道をゆっくりでも良いから真っ直ぐに歩ませてやりたい。来年度から実施予定の新・健康診断。その検査項目に注目したい。

 

ひとりごと131号

 

太田市教育委員会と(財)太田市文化スポーツ振興財団・同体育協会が主催する「公開講座」。平成17年からこの時期に行われているジュニアスポーツ指導者を対象にした講座で、毎年延べ800〜1200人が受講している。スポーツ障害の実態と予防、コーディネーショントレーニングの必要性、栄養学などジュニアの指導者に必要な知識が無料で学べる。しかも講師は、体育系大学の教授や運動部指導者なのだ。私も取材を兼ね毎年受講しているが、私が指導現場にいる頃から開催して欲しかったと受講の度に思う。自分の経験や雑誌などで得た練習方法などを得意そうな顔で指導していた。私の指導を真剣に聞いていたあの少年達の表情を思い出すと、恥ずかしさと同時に後悔の念に苛まれる。今考えれば、何の根拠もない「伝説や迷信」のようなことを「なんでこんなことが出来ないんだ!」などと怒鳴りながら教えていた。子供の発育・発達や基礎体力のことなど考えた事もなかった。ただ、自分のチームを強くしたいという我欲だけだったように思う。あの頃の少年達も、今では立派な大人。今でも野球を続けていてくれるだろうか? 野球を好きでいてくれるだろうか?「ごめんなぁ」と心が呟いた。

ひとりごと130号

 

新年明けましておめでとうございます。ガンバも今年4月に創刊10周年を迎えます。これも、読売新聞太田地区会様をはじめ、太田市、同体育協会、各競技団体関係各位、そして、読者の皆様方のご支援によるものと、深く感謝申し上げます。10年という節目を迎えるにあたり、いま急ピッチでホームページの引っ越し作業を進めています。現在、ガンバのWEBサイトには、市内はもとより県内外からも毎月3万件以上のアクセスがあります。今後は、より一層皆様に活用していただくために、紙面と連動させた記事や広告の掲載、動画コンテンツの制作など、新たな試みにも挑戦しようと思っています。ガンバ配布エリアである東毛地域(桐生市を除く)のスポーツ関連情報や地域情報などを出来るだけ多く公開できるように「情報投稿ボックス」や「投稿写真コーナー」なども設ける予定です。催し物の参加者募集や大会情報などをお送りください。また、紙面では10周年を記念して、読者プレゼントも何回かに分けて行っていきたいと考えていますので、どうぞお楽しみに! 
創刊まもない頃、ガンバに登場したジュニアたちは、立派な社会人として、あるいは日本を代表するトップアスリートとしてめざましい活躍を見せてくれています。ガンバもこのアスリート達に負けないよう、なお一層の努力を続けていくつもりです。次号(第131号・1月27日)が発行されるまでには、新しいWEBサイトに引っ越しが終わる予定です。(たぶん?)今後ともガンバへのご支援をお願いいたします。

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